やっとと言う感じですが、梅雨明けの雰囲気が出てきましたね。
梅雨とは夏の高気圧である太平洋(小笠原)高気圧と北の冷たいオホーツク海高気圧のぶつかり合いによって引き起こされます。この状態が長く続くので長雨になります。
実はこの梅雨のような長雨が続く気候は世界的に珍しく、中緯度地域では極東の日本付近だけにしか起こらない気象現象なのです。
北米の東海岸で夏前に少し雨が多くなることがあるのですが、長くても一週間くらいで終わってしまいます。あえて言えばこれが近いですが、まあ「プチ梅雨」でしょうか。
東南アジアのモンスーンと日本付近の梅雨は密接な関係がありますが、ちょっとそのメカニズムが違うので分けて考えられています。
いずれも、ヒマラヤ山脈と大きな地球の大気の流れの関係によって引き起こされる特異な現象です。
さて、梅雨明けのパターンは大きく分けて二通りあります。
(1)オホーツク海高気圧が弱まり太平洋高気圧が勢力を増して、一気に前線を押し上げてしまう。
このパターンは、梅雨明けがハッキリしています。南の方から順次梅雨明けしていくパターンで「寄り切り型」です。
(2)オホーツク海高気圧と太平洋高気圧の境が無くなって、前線が消滅してしまう。
こちらは、梅雨明けのハッキリしないパターンです。オホーツク海高気圧は冷たいと書きましたが、実は高気圧は温まりやすい性質を持っています。そのため暖かな太平洋高気圧と接触しているうちにだんだんと暖められて、気温差が無くなりついには一体化してしまう「合体型」です。
温まるには時間がかかるため、梅雨明けが遅くなるのがこちらです。
どうやら今年は(2)のパターンに近い形のようです。
実はもう一つ(3)のパターンがあります。
(3)前線が南に押し下げられてしまう。
これは(2)のパターンの変形です。オホーツク海高気圧が勢力を保ったまま暖められつつ南に下がってきて、ついには太平洋高気圧と置き換わってしまう「変身型」です。
比較的珍しい梅雨明けの形です。
さて、今週いっぱい位で梅雨が明けそうです。一気に暑くなることが考えられますので皆さん体調を崩さないようにご自愛ください。