我が家の家の入り口の脇に、チャンチンボクと言う高さ8mほどの木があります。
この木にはウロがあって、かつてシジュウカラが営巣したことがあるのですが、その後スズメバチが巣を作ったりしたので、そのウロは塞いでしまいました。
その代わり、鳥の巣箱を作ってかけてあるのですが、3年目になってもまだ鳥の営巣はなっていません。
ところが今年、キジバトがこのチャンチンボクの木に巣を作って、ただいまヒナを育てています。
キジバトは巣箱は使いませんので、木の上の方の茂みになっているところで、小枝を組んで巣を作って、そこで卵を孵化させたのです。
実はこの木でキジバトが営巣するのは3回目。
1回目は上手く巣立ちまで行ったのですが、2回目の時は親鳥が途中で放棄して、ヒナは育ちませんでした。
2回目の時から、もうかれこれ20年ほど経ちますので、久しぶりのキジバトのこの木での子育てになります。
一ヶ月ほど前の8月下旬、キジバトがこの木にとまって、「つがい」で鳴き交わしていることに気づいていました。
これは巣を作るなと思っていたのですが、そっとしておきました。
下手に覗き込んだりすると、鳥が警戒して巣を作るのをやめてしまうからです。
ところが一週間ほど前、女房殿がこの木の枝を払ってしまったのです。
私が言い忘れていたのがいけないのですが、木に登って枝を2本ほど切ったところで、キジバトが居ることに気づいたそうです。
本当に目の前の位置で気づいたそうですが、巣のキジバトはじっと動かずおとなしくしていたのです。
これはまずいと、女房殿は隣にあるケヤキの木の枝を折って、巣の上にかぶさるように結わえ付けたのでした。
むき出しになってしまうと、天敵に見つかりやすくなります。
その後、キジバトが巣を放棄しないか心配したのですが、一応落ち着いた様子です。
そっと観察をすると、巣に居るキジバトの下から、ヒナが2羽顔を覗かせています。ヒナが居たので逃げなかったのですね。
それから4日ほどしたときです、巣を見ると親鳥が居ません。
ヒナだけが巣に居るのですが、時々巣を見ても親鳥の姿が見えないのです。
やっぱり放棄してしまったのかなと、その後も時々様子を見ていましたが、親鳥の姿を巣で見ることはありません。近くの電線の上で「デッテー、ポッポー」と鳴いてはいるのですが、巣に居る姿を見かけないのです。
それが3日続いて、これはいよいよヒナが限界かなと思い、ヒナを回収して世話をするかと考えていました。
昨晩は強い雨が降っていて、雨ざらしなわけでしたので余計に心配でした。
ところがです、今日昼に仕事をしていたら電線の上で鳴いていた親鳥が、今度はすぐ近くで鳴いているのに気づきました。
おやっと思って、外に出ると巣がある木の脇の木で鳴いています。
離れたところから様子を見ると、その親鳥が巣に入って行くではありませんか。きちんとヒナにエサは与えていたのです。
どうやら、ある程度ヒナが大きくなると、親鳥が巣に戻るのはエサを与える時だけで、その他の時はヒナだけにするようです。
それにしてもあの様な強い雨で、ヒナだけで雨ざらしなのによく平気なものです。自然の生き物は強いですね。
女房殿がその後仕事帰りに電話をしてきたのですが、やはりヒナの様子が心配だったのです。
何はともあれ、親鳥がヒナをちゃんと面倒見ていることが確認出来たので一安心です。
その後もまた来たのですが、どうやらまず電線の上で鳴いて周囲の様子を伺い、次に巣のそばで鳴いてヒナに来たことを知らせて、それから巣に行く様です。
良かった良かった。
もう少しヒナが大きくなったら、その写真を撮ってお見せできるかもしれません。
卵からヒナが孵化してから巣立ちまで15日ほどと言われますので、後一週間くらいでしょう。
このまま天敵に襲われず、無事巣立ちまで育つことを願うばかりです。