チシャムシの採取法を今年の1月30日に記事にして載せています。
あの時は真冬の時期でエゴノキの種が落ちてから時間が経っていてそれを探すにはちょっと難しい時でした。
また、
エゴノキを探すのに良い目安となる花の咲く時期にはその花を写真を載せて紹介しました。
季節は進み秋となりいよいよエゴノキの新種が獲れる時期になりました。
なお、前の記事ではエゴノキの実と書いていましたが、実とは果実の状態を言いますので、その中身と言うことで種とさせていただきます。
従って、前の記事で「エゴノキの実」と書いてあるところは、「エゴノキの種」と読み替えてください。
さて、エゴノキを見て少しびっくりしたことが在ります。
それは、てっきりその種は回りの果肉と共に落ちて、それが割れて種が出てくるのだと思っていました。
梅やモモの様にです。
ところが実際は果肉が割れて先に落ちてしまい、種だけが枝に残った状態になるのです。
これが下に落ちています。
今年の新しい種が沢山落ちていますが、枝にはまだ果肉が付いたままのがかなりあります。
どうやら種が落ちる期間にかなりの幅があるようです。
さて、種を拾って持ち帰りました。
この種をペンチで割って虫を探すわけです。
採取した木にもよりますが、大体6~7割の種に虫が入っています。
取り出した虫です。
全部を割って、虫が入っているのをピックアップしても良いですが、出来れば割る前に虫が入っている種を見分けられれば余計な手間がかからずに済みます。
虫が入っている種をどうやって見極めるかです。
まず、こんな風にハッキリした丸い穴が開いているのは駄目です。
これは去年以前の種で虫が成虫になって出て行ってしまった穴なので当然虫はいません。
次に今年の種の中から虫の卵が産み付けられた跡を探します。
それはごく小さな針先で引っかいて付けた様な傷跡です。
いくつかアップでお見せします。
黄色く丸で囲んだのがそれです。
典型的な傷跡のをお見せしましたが、ちょっと紛らわしいのもあります。
ムシメガネで見なければならないような小さな傷ですが、これが親虫が卵を産みつけた跡なのです。
なお、一つの種に産み付けられる卵は必ず一個だけです。
ですから、傷跡も一つだけです。
どうやって卵が産み付けられているのを知るのか判りませんが、すでに産み付けられた種には後から他の親虫が再び卵を産み付けることはありません。
さて、この傷跡がある種を割ると90%以上の確率で虫を取り出せます。
ただ、卵を産みつけた跡がある種でも卵が上手く孵化できなかったり、幼虫が成長途中で死んでしまった場合は当然取り出せません。
50ほどの種を傷跡があるのと無いのを選別してみました。
傷跡が無い種は20くらいありました。
試しにその種を全て割ってみましたが、虫が入っているのは一つもありませんでした。
そして、傷がある種をいくつか割ってみたら全てに虫が入っていました。
かなり選別方法として有効であると思います。
ところで、虫が入っている種が6~7割と書きましたが、ある木の下で拾った種はほとんど虫が入っていませんでした。
20ほど拾った種の中に虫が入っているのは一つだけだったのです。
その木は道路わきの街路樹として植えられているものでした。
これはあくまで想像ですが、おそらく虫の産卵時期にその木に殺虫剤が散布されたのではと思っています。
いくつか拾って見て卵を産み付けられた傷跡が全然無い場合はその木の種に虫が入っている可能性が低いです。
ですから、他の場所の木の種を拾った方が良いでしょう。
そういった意味では、手入れの行き届いた街路樹や公園の木よりも、雑木林の木の種の方が虫がいる可能性は高いと思います。
この虫をエサにしてヤマベ狙いで釣りをしてみたいと思います。
ヤマベ釣りにも丁度良い季節です。