今年は今のところ日本の本土に上陸した台風がありません。
もうすでに10月も下旬、現在も東アジア付近に台風は発生していません。
今後新たに発生した台風が、接近して上陸する可能性は低いと思われます。
台風が上陸してないことにより、山の木々が受けたダメージが少ないのでこの秋の紅葉は色つきが良いと言われています。
事実、最近のニュースに見られる現在の山の紅葉の映像を見ると、かなり鮮やかに見えます。
また、台風が上陸していないということはそれによる人的な被害も少なかった訳です。
と、ここまでは台風の上陸が無いことでよかったことばかりのように思います。
しかし、台風が上陸していないことによって困ることもあるのです。
先日の読売新聞の記事ですが、島根県の有名なアユ釣りどころの高津川ではアユが産卵に落ちてこないと出ていました。
アユは大雨で川が増水することが産卵行動のきっかけになるのですが、今年は台風などによる大雨が無いことが原因と推測されています。
アユは上流から下流に落ちてきて下流にある瀬の石の表面に産卵をします。
この場合石の表面がコケや泥で覆われていると、産卵した卵が付いてくれません。
そのため大雨が降った後、土砂によって表面が削られて汚れが取れた石の表面に産卵する必要があるのです。
ですから、きっかけとなる大雨が無いとアユが落ちてこないことになります。
これは島根県に限らないわけで、関東でも8月の下旬に大雨が降って以来、9月以降まとまった雨はほとんどありません。
このままだと来年の天然アユの遡上数に影響するかもしれません。